みんなそれぞれ


作・絵

ツペラ・ツペラ

 

出版

PHP研究所

 

 


『みんなそれぞれ』の作者tupera tuperaは、亀山達矢さんと中川敦子さんによって結成されたユニットの名前です。この本は、10の言葉を日常生活に照らし合わせて描かれています。作中では1つの言葉でさまざまな場面を表現していて、“みんなそれぞれ”違いがあるということが分かります。その中で気になった言葉をいくつか紹介していきたいと思います。

 一つ目の言葉は「まよう」です。この言葉を使う場面はたくさんあると思います。例えば「信じるかまよう」はこの人を本当に信じていいのか、どっちを信じるかなどの意味が込められています。また「行くかどうかまよう」には不安な気持ちが表されています。このように「まよう」という言葉でもさまざまな状態を表すことができ、人間の心情について深く考えさせられます。

 

 二つ目の言葉は「はしる」です。この言葉もさまざまな場面で使われていると思います。「思いっきりはしる」だったらとにかく速くはしるという意味になります。それに対して「自分のペースではしる」は、ゆっくりでも、自分のペースで無理せずはしるということを示しています。このように言葉にはさまざまな解釈があり、“みんなそれぞれ”違いをもつことができると思います。

みんなの価値観を大事にして、よりよい世界になるように目指していく必要があると、この本を読んで私は思いました。